2020.07.01 (Wed)
勘違いの行方 13
「いやぁ~ これはマジで笑えた。ステージに席を作ってお手振りまで披露したしね」
「勘違いにも程があるだろう。親子しておめでたい性格してるんだな。ミン氏も取り巻きたちに府院君と呼ばれて有頂天になってたぞ。まぁ、それも30分程度のものだったがな。」
「よく30分も黙ってたね。」
「パク長老が天国をほんの少し味わった方が地獄の辛さも身に染みるだろうって」
「くっくっく・・・まるでガンヒョンみたいだな。」
「ガンヒョンったら・・・ヒョリンの動画までしっかり撮ってたなんて・・・」
「彼女は美術科じゃなくて映像科でもよかったんじゃないか?いや、カメラマンっていうよりプロデューサーか?」
「本当はね、これをネットに上げようって計画してたんだけどさぁ」
「えっ?!それは・・・」
「うん。さすがにね。もうすでにシンたちの記者会見でヒョリンが嘘つきの勘違い女ってことが全国に広がっちゃったからさ。もういいかなって。だからシンたちに報告用にって貰ってきたんだ。」
いつものように黒塗りの宮の車列が校門を通過した。
皇太子を出迎えるためにファンの女の子たちが群れをなしてまちかまえている。
翊衛士たちがそんな学生たちを抑えていると、ドアが開きすらりとした身のこなしで皇太子のイ・シンが降り立った。いつもならばそのまままっすぐに校舎に向かうはずの皇太子が、振り向いて車の中に手を差し伸べ、ようやく公にできた婚約者のシン・チェギョンをエスコートした。
「殿下!チェギョン!おめでとう!」
何処からともなく祝福の声が上がり、2人は顔を見あわせにっこりと素敵な笑顔で学生たちの歓声に応えたのだった。
そうそう、月曜日の舞踊科の教室では、ヒョリンの私物を片付ける取り巻きたちの姿があった。ヒョリンが急遽海外留学に出ることになったからだ。
「あらあら・・・ヒョリン様の荷物をどうするの?」
「海外留学ですって。さすがヒョリン様よねー。それで?あなたたち付き人は一緒なの?ふふふ」
「さすがヒョリン様ねー。片付けも自分じゃなくてお付きの方がやってくれるなんてー」
「・・・・」
「もういやっ!どうして私たちがヒョリンの荷物を片付けなきゃいけないのよっ!」
クラスメイト達のからかいに我慢できなくなった子が片付け途中のヒョリンの私物を投げ捨てて教室を出た。すると「私も・・・」「私も・・・」とあっというまに全員が出ていき、教室の片隅にヒョリンの私物はそのまま放置された。しかたなく担任が段ボールに何もかも一緒に詰め込んでミン家へ郵送したのだが、すでにミン家に住む人はなく受取人不在のまま門前に放置され続けることになったそうだ。
fin
「勘違いにも程があるだろう。親子しておめでたい性格してるんだな。ミン氏も取り巻きたちに府院君と呼ばれて有頂天になってたぞ。まぁ、それも30分程度のものだったがな。」
「よく30分も黙ってたね。」
「パク長老が天国をほんの少し味わった方が地獄の辛さも身に染みるだろうって」
「くっくっく・・・まるでガンヒョンみたいだな。」
「ガンヒョンったら・・・ヒョリンの動画までしっかり撮ってたなんて・・・」
「彼女は美術科じゃなくて映像科でもよかったんじゃないか?いや、カメラマンっていうよりプロデューサーか?」
「本当はね、これをネットに上げようって計画してたんだけどさぁ」
「えっ?!それは・・・」
「うん。さすがにね。もうすでにシンたちの記者会見でヒョリンが嘘つきの勘違い女ってことが全国に広がっちゃったからさ。もういいかなって。だからシンたちに報告用にって貰ってきたんだ。」
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週が明けて月曜日。いつものように黒塗りの宮の車列が校門を通過した。
皇太子を出迎えるためにファンの女の子たちが群れをなしてまちかまえている。
翊衛士たちがそんな学生たちを抑えていると、ドアが開きすらりとした身のこなしで皇太子のイ・シンが降り立った。いつもならばそのまままっすぐに校舎に向かうはずの皇太子が、振り向いて車の中に手を差し伸べ、ようやく公にできた婚約者のシン・チェギョンをエスコートした。
「殿下!チェギョン!おめでとう!」
何処からともなく祝福の声が上がり、2人は顔を見あわせにっこりと素敵な笑顔で学生たちの歓声に応えたのだった。
そうそう、月曜日の舞踊科の教室では、ヒョリンの私物を片付ける取り巻きたちの姿があった。ヒョリンが急遽海外留学に出ることになったからだ。
「あらあら・・・ヒョリン様の荷物をどうするの?」
「海外留学ですって。さすがヒョリン様よねー。それで?あなたたち付き人は一緒なの?ふふふ」
「さすがヒョリン様ねー。片付けも自分じゃなくてお付きの方がやってくれるなんてー」
「・・・・」
「もういやっ!どうして私たちがヒョリンの荷物を片付けなきゃいけないのよっ!」
クラスメイト達のからかいに我慢できなくなった子が片付け途中のヒョリンの私物を投げ捨てて教室を出た。すると「私も・・・」「私も・・・」とあっというまに全員が出ていき、教室の片隅にヒョリンの私物はそのまま放置された。しかたなく担任が段ボールに何もかも一緒に詰め込んでミン家へ郵送したのだが、すでにミン家に住む人はなく受取人不在のまま門前に放置され続けることになったそうだ。
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tiem |
2020.07.01(Wed) 12:09 | URL |
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2020.07.01(Wed) 14:00 | |
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2020.07.01(Wed) 14:26 | |
【コメント編集】
こんにちは。コメントありがとうございます。
ヒョリンの勘違いのせいで一家でお引越ししなきゃいけなくなるし、
取り巻きたちも馬鹿にされる羽目になるし。
とんだ災難をもたらした勘違いヒョリンでしたw
独り善がりな勘違いは不幸のもとですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ヒョリンの勘違いのせいで一家でお引越ししなきゃいけなくなるし、
取り巻きたちも馬鹿にされる羽目になるし。
とんだ災難をもたらした勘違いヒョリンでしたw
独り善がりな勘違いは不幸のもとですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
サクラ |
2020.07.02(Thu) 10:18 | URL |
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こんにちは。コメントありがとうございます。
取り巻きたちもいい迷惑でしょうが、勘違いヒョリンをチヤホヤして
周りの学生たちに良い態度してなかったでしょうから自業自得でもありますよね。
ヒョリンは学校辞めちゃったけど(逃げちゃったけど)取り巻きたちは
どうするんでしょうねー。きっとずっと同窓会とかでも馬鹿にされそう^^;
取り巻きたちもいい迷惑でしょうが、勘違いヒョリンをチヤホヤして
周りの学生たちに良い態度してなかったでしょうから自業自得でもありますよね。
ヒョリンは学校辞めちゃったけど(逃げちゃったけど)取り巻きたちは
どうするんでしょうねー。きっとずっと同窓会とかでも馬鹿にされそう^^;
サクラ |
2020.07.02(Thu) 10:20 | URL |
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こんにちは。コメントありがとうございます。
確かにそれはあり得そうですね。
あっという間に世間に広がっちゃったでしょうねー。
確かにそれはあり得そうですね。
あっという間に世間に広がっちゃったでしょうねー。
サクラ |
2020.07.02(Thu) 10:22 | URL |
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|
2020.07.02(Thu) 15:06 | |
【コメント編集】
おはようございます。コメントありがとうございます。
ヒョリンの場合、病気なんじゃないの?って思えるほどの酷さですけどね。
良いことを信じて言葉にし続けて叶える・・・ならば良い言霊っていえそうですけどね。
今回は全く逆ですから、周りの巻き込まれた人たちもたまったもんじゃないですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ヒョリンの場合、病気なんじゃないの?って思えるほどの酷さですけどね。
良いことを信じて言葉にし続けて叶える・・・ならば良い言霊っていえそうですけどね。
今回は全く逆ですから、周りの巻き込まれた人たちもたまったもんじゃないですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
サクラ |
2020.07.03(Fri) 09:01 | URL |
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2020.07.22(Wed) 14:39 | |
【コメント編集】
こんにちは。コメントありがとうございます。
ヒョリンの場合、勘違いってかわいい言葉で片づけられないですけどねw
そうですよねー。チェギョンを泣かせたりしたら、きっとガンヒョンから
なにかしらの制裁をうけそうですよねー。
まぁ、そんな事態になることはないとおもいますけどw
ヒョリンの場合、勘違いってかわいい言葉で片づけられないですけどねw
そうですよねー。チェギョンを泣かせたりしたら、きっとガンヒョンから
なにかしらの制裁をうけそうですよねー。
まぁ、そんな事態になることはないとおもいますけどw
サクラ |
2020.07.23(Thu) 16:03 | URL |
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最終話の更新ありがとうございます。
ヒョリンは勘違いでお手振り迄披露。
親の方も会見の途中で我が娘ではない事が判明でガックリ。
ガンヒョン、本当に良くやってくれましたねぇ。
カメラマンとしての能力も発揮できたしねぇ。
勘違いヒョリン、急遽留学することに。
親達も住めない状況になり、ヒョリンの私物なども、自宅前に。
ヒョリンの言いなりになっていた方々も揶揄され、もうやってられないと。
だよねぇ、勘違いに翻弄されていたんだから。
結局、詰めた品数は野ざらしに。。。
シン君、チェギョンはもうラブラブだしねぇ。
お話ありがとうございましたぁ。